波紋  *  映画

 

「波紋」観てきました。

磯村君が出ていたのでどうしようかと思ったら

荻上監督じゃないですかーー!

今までの作風とは違う

意地悪な人、イライラする人がたくさん出るんです(笑)

しょっぱなは光石さん!

ほんと超ブチ切れました。

家を捨てたのに、がんになったからとのうのうと帰ってくる

ほんとにこういうオヤジいるでしょ!って感じです。

そしてそして女優陣がすごすぎる

みんな演技がプロなんです、当たり前なのですが(^^;

主人公の絶望の前には宗教がありました。

キムラ緑子

江口のりこ

平岩紙

同じトーン、同じ熱量、同じ怪しさ

バランスが取れすぎていて、それがさらに怖さを増すみたいな

監督の思惑をすべてわかっているこの演技

ほんとにすごい

お隣の安藤玉恵もしかりです。

緑子さんなので騙そうとしてるわけではなく

ほんとにいい人なのかもと途中思ってしまいました(^^;

騙されても致し方ない

そして最強に意地悪なのが磯村君の連れてきた婚約者

今のお話 たくちゃんにしちゃってもいいですかぁ~って笑いながら言うあの感じ

ほんとにクソ

それに気がつかない男たち

アホだなぁと思う

主人公は

失踪していた旦那を家に入れてあげるし、ご飯も作る

高額な治療薬代も出し、葬式まであげてあげる!

ほんとうに優しいのは誰?

 

笑えるシーンもけっこうあって

点滴のシーンは会場から笑いが起きました

映画館で観るっていいなと思います。

ほんとに主婦って割に合いませんよね

木野花さんが言う「やっちまおう」にやられてしまいました。

ありがとう!ありがとう!ありがとう!って感じです

やっちまえば、じゃなくて やっちまおう、だよ

そう、、、やってしまいましょう

そして

この映画のポイントの一つ「人を呪わば穴二つ」の呪縛。

私も若いころは、やったことや言ったことが

ブーメランのように自分に返ってくるので

ほんと恐ろしくて

ムリに、いい人になろうって思った時期もありました

でもおばさんになった今となっては

ブーメランのように返ってきても、なにも思わなくなりました(笑)

言わなかったり思わないようにしたりして、苦しい思いをするより

ブーメランが跳ね返ってきた方が100倍健全だったのです。

でも、、、恨みを受けるのはダメです、恨みは呪いになるから

呪いは命も持ってかれます

どんなにいい人でも妬みや嫉みを受けてしまうこともありますから

絶対に恨まれないということはありません

速攻逃げましょう。

 

木野花さんのゴミ屋敷の家

まさに現実に去年、友人の家の扉を開けたらゴミ屋敷だったことがありました。

私はとても掃除してあげることはできませんでしたが

主人公はゴミ屋敷をきれいに掃除して

自分を取り戻してゆきます。

ラストの主人公のエネルギーがものすごくて

深淵からよみがえった火の鳥のように

筒井さんが素敵でした

いろんなことから解放されてほんとうの自由がやってくる。

そうそうたる俳優陣の中で主演の筒井さんは光り輝いていました。

磯村君もこの中での息子役しっくりきてました。

柄本明さんが出ていたり、よく見るとムロさんも出ていたり

贅沢な映画です。

 

荻上監督の作品はかもめ食堂から観てますが

この間の 川っぺり~で とうとうこんな所まできてしまったのか

と思いましたが

今作は、その上を軽々超えて

荻上作品の中で一番好きな作品になりました。

人生に絶望は何回もやってきます

人を呪いたくなるようなことも起きます。

せめて40代で観たかったなあ

「やっちまおう」のお守りがほしかった。