月  *  映画

 

「月」観てきました。

かなり覚悟を決めないとみられないなと思いました。

観てしまったら犯人は悪くないって思わされてしまうんじゃないか

という不安がありました。

犯人は神でも英雄でもないのに。

 

この役を引き受けた俳優陣を尊敬します。

特に磯村君はよく引き受けたと思う。

ほんとにすごかった。

 

正直に感想を言うと

私が被害者の人だったら

さとくん、殺してくれてありがとうって思う。

監禁されるのも嫌だし

拘束されるのも嫌だし

暴力は問題外だし

死ななきゃ外に出してもらえないなら

自分で死ぬことができないなら

殺してくれてありがとうと思う。

でもこれは私の思うことであって

ほんとうの被害者の人たちの気持ちはわからない

想像しかできない

悔しくて恨んでるかもしれない

 

やまゆり園みたいな障害者施設があんな山の中にあるなんて知らなかった。

人間は100%健全で健康な人が生まれてくるわけではなく

どうしても何パーセントかは障害のある人が生まれてしまう

もしかしたら

それは私だったかも

(といっても私も生まれつき身体が不自由だったりしますが、、、),

たまたまこの世では

やまゆり園の人たちだったかもしれないけれど

自分だったかもしれないのだから

ないがしろにしていいはずもなく

重度に障害があっても

人として生きていくことはできないのだろうか

たとえ頼まれても人が人を殺してはいけないのだから

 

職員の人たち

あんな陰湿な意地悪を喜んでやれるようでは

職員の人こそ、もう人ではなくなってしまっている

お世話をする方も気づかないうちに病んでしまう

誰も幸せになれない

ほんとにどうしたらいいのだろうか

 

二階堂ふみもこの役辛かったろうに

宮澤りえも「気」がすごかったです

オダギリジョーは唯一の癒しでした。

磯村君は病んでしまってないだろうかと心配になりました。

 

実は「ロストケア」を観てから感想がまったく書けず

だいぶ飛ばして「波紋」を書いて

でも

今宵の月が映画のような三日月で

「月」は書かなきゃって

井上陽水の「東へ西へ」が切ないです。